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根管治療は、大きく分けて、抜髄(神経の除去)と感染根管治療に分けられます。
初めての根管治療(Initial treatment)の時、ラバーダム防湿法やマイクロスコープなどを使用して治療すれば、再治療の確率もかなり減少させることができるのです。
残念ながら日本では再治療が圧倒的に多いと言われていて難易度も上がります。ここではInitial treatmentの抜髄をご紹介します。
抜髄(神経の除去)
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虫歯が大きい時・不可逆性歯髄炎などの時は、歯髄(歯の神経)をとらなくてはいけなくなることがあります。
治療の手順
Step①
注射の痛みを和らげるため表面麻酔をし、その後に麻酔注射をします。
Step②
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治療する歯にラバーダムというゴムのシートをかけて口腔内の唾液が侵入しないようにします。
唾液が侵入してしまうと細菌が入り込み治療は失敗に終わることがあります。
Step③
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マイクロスコープ下でう蝕検知液という虫歯を染め出す液体で確認しながら、虫歯や感染源を徹底的に除去します。
Step④
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根管の入り口付近をリーマーやファイルと呼ばれる器具が入り易い形態に整えた後に、電気の抵抗値などを利用して根管の長さを計測します。(図4)
Step⑤
長さが決まれば、ニッケルチタンロータリーファイルで根管を拡大し、神経や汚染物質を取り除き、消毒しやすい大きさにします。
Step⑥
何種類かの消毒液を使用し、根管内を徹底的に消毒します。
Step⑦
根管内に薬を入れて数日おきます。
Step⑧
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根管の先までゴムのような薬剤などを緊密に詰め込みます。バイ菌が繁殖するスペースをなくすためです。(図5)
Step⑨
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X線で根管充填の具合を確認して、終了です。
根管治療を
難しくする理由
奥歯などは、1本の歯に根管が4つ以上あることも多く、マイクロスコープの強拡大で確認しないと見逃されてしまうこともあります。
マイクロスコープとルーペ(拡大鏡)何が違うの?
ルーぺでは目線と光が同軸で入らないので、直径1mm以下の狭くて暗い根管の中に影ができ、よく見えないのです。
その点マイクロスコープは光が目線と同軸で入るので影ができず、よく見えるのです。
もちろん拡大率も違い、より正確で精密に治療ができるので再治療が少なくなります。
マイクロスコープは肉眼では見えない、歯の破折の発見や根管治療(根の治療)には非常に威力を発揮します。アメリカでは1998年に根管治療の専門医は、マイクロスコープを使用することが義務づけられています。
◎マイクロスコープ
△ルーペ(拡大鏡)