今回は子供の反対咬合(受け口)を治す矯正装置の一つムーシールドについてご紹介いたします。
反対咬合(受け口)のケースでは、乳歯列期の低年齢(3歳~)から矯正歯科治療が開始することがあります。自然治癒が見込めず、低年齢児で治療開始した方がメリットが大きいと判断した場合、治療開始し、正常発育の軌道からのズレを補正していきます。
ムーシールドの治療例(4歳女子)
ムーシールド装着前
ムーシールド装着して4ヶ月後
イメージ図
ムーシールドの実物
ムーシールドは、上口唇圧を排除し、口唇圧のバランスを整え、低位舌を改善することで受け口の改善を促していきます。外力を必要とせず、筋機能のバランスを整え、反対咬合を改善するため機能的顎矯正装置と呼ばれます。
リップシールドの部分が上口唇圧を排除し、上顎骨の正常な成長を促します。また、ムーシールドを装着した状態で唇を閉じる動作を意識的に行わせることで、下顎のオトガイ部(顎先)に過緊張を与え、下顎を後退させます。
黄色の部分が舌挙上部になります。舌が低位で機能することを改善し、嚥下時に正しく口蓋に上がる環境を作りだすことで上顎の前方成長を促すと言われています。
ムーシールドの装着は主に寝ている間にしていただきます。
反対咬合の治療に使用する装置はムーシールドだけではありません。下顎前突の場合、思春期に体の成長にあわせて急激に大きくなることもあるので、頭部X線規格写真(セファログラム)の分析なども行いながら、成長に合わせて適切な装置の選択が必要になります。