―感染しない、感染させないために― safety fast
日本国内では東京都内勤務の歯科医療従事者からも感染者が発生し、世界的には歯科治療は最も感染リスクの高い職種の一つと言われ、感染が流行している地域では休診にしているのが実情です。
国際歯科研究協会(IADR)と米国歯科研究協会(AADR)が共同主催するJournal of Dental Researchは、武漢大学医学部と口腔病学部の研究者が多数の推奨事項を記載した論文を発表しました。
これに従い、当院では社会的な役割を考慮し、順次ご予約の患者様には電話をいれさせていただいております。診療の再開は5月7日以降を予定しております。
当院でも、口腔外バキューム(飛散防止)及び処置を担当するスタッフ全員が個人防護具(Personal Protective Equipment)を着用して対応しています。来院された患者さんが安心して治療を受けられるように、通常診療は延期になり、休診あるいは急を要する治療を希望される場合に限らせていただきます。
大事な方々を守るために、日々の情勢変化に合わせてホームページではご案内させていただく予定です。今後も最善の対応を心掛けて行きますのでご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
論文の抜粋は以下の通りです。
論文の抜粋
COVID-19の発生時、歯科医院ではroutineの手順としてすべてのスタッフと患者の体温を記録するプレチェックトリアージを確立することが推奨されている。
プレチェックのスタッフは、患者の健康状態や接触・渡航歴について問診するべきである。
患者とその同伴者には入室後に医療用マスクを渡して体温測定を行う。
発熱のある患者は登録して指定病院を紹介する。過去14日以内に流行地域に行ったことのある患者は、少なくとも14日間は隔離することが推奨される。
COVID-19が流行している地域では、緊急性のない歯科診療は延期すべきである。
これまで、COVID-19の流行期における歯科医療の提供に関するコンセンサスは得られていない。私たちの経験と関連するガイドラインや研究に基づいて、歯科医師は厳格な個人防御措置を講じ、飛沫やエアロゾルを発生させる可能性のある操作を避けるか、最小限に抑えるべきである。4ハンドテクニックは感染を制御するために有益である。ラバーダムと唾液エジェクターは、エアロゾルを最小限に抑えるのに役立つ。
さらに、水噴霧を伴うドリリングの際には、N95マスク、手袋、ガウン、キャップ、靴カバー、ゴーグルまたはフェイスシールドなどのPPE(個人防護具)が不可欠である。
術前の抗菌性含嗽は口腔内の微生物の数を減らす可能性がある。咳を誘発する可能性のある処置は(可能であれば)避けるか慎重に行うべきである。3ウェイシリンジの使用など、エアロゾルを発生させる手技は可能な限り最小限にすべきである。
デンタルX-P検査は最も一般的なレントゲン撮影法であるが、唾液分泌と咳を誘発する可能性がある。
したがって、COVID-19の発生時には、パノラマX線写真の撮影やコーンビームCTなどの口腔外歯科用X線撮影が適切な代替手段となる。
SARSの回復期にある患者の歯科診療は少なくとも1か月は延期すべきであると報告されている。COVID-19の患者にも同様の提案が推奨されるべきかどうかはまだ不明である。