先週、自家歯牙移植を施術した症例です。
患者様の主訴は、
と訴え来院された29才女性です。
初診時の下顎の口腔内写真です
初診時のレントゲン写真です。
はじめに②の欠損部に③の親知らずを利用する自家歯牙移植を施術しました。利用する歯は、深い虫歯もあり、歯ブラシが難しい位置に生えていて、今後この位置にあっては長期の保存は難しいです。
自家歯牙移植直後のX線写真
〇部の歯を欠損部に移植しました。
術直後
術後7日
※術後7日目で少しの動揺がある程度です
移植された歯は、術後2週でマイクロスコープによる根管治療を開始し、その後に補綴(かぶせもの)処置の予定です。
自家歯牙移植の歴史は古く、成功率も高い治療法です。
研究者によりその成功率は大きく異なりますが、自家歯牙移植術の成功は、その適応する歯、術式、術後管理等、術者の知識と経験が大きく影響され、重要なのは移植される歯の根(歯根膜)をどれだけ傷をつけないで抜けるかは非常に重要な要素です。
O.Schwartz (1985)
1955~1980年までに自家歯牙移植された291本の歯牙の1~25.7年間(平均9.6年)の予後調査の結果、生存率は5年後で76.2%、10年後で59.6%であった。
J.O.Andreasen (1990)
1973~1985年までに自家歯牙移植された370本の歯牙の1~13年間の予後調査の結果、その生存率は平均98%であった。(うち根未完成歯317本)親知らずの移植の生存率は96%。
当院では、欠損部の治療法には、多岐に渡る治療方針を提案することができます。年齢の若い方の欠損部には、ブリッジやインプラントではなく、自家歯牙移植が第一選択になります。
親知らずを利用した症例
矯正治療で歯を移動させて親知らずを利用した症例を更新いたしました。