金属アレルギーについて
口腔内の皮膚の炎症は
金属が原因である
可能性があります
歯科治療で使用された金属が原因となり、口腔内の粘膜や全身の皮膚に炎症が生じる状態を指します。唾液によって溶け出した金属イオンが体内のタンパク質と結合し、免疫反応を引き起こすことで、口内炎や手足の湿疹といった症状が現れます。特定の金属が身体に合わないことで起こるため、正確な診断と適切な素材への交換が重要です。
こんな場合はご相談ください CONSULTATION
- 治療で歯を削った
- 歯が欠けてしまった
- 体質的に銀歯が合わない
- 見た目もこだわりたい
- 金属アレルギーである
- セラミック素材に興味がある
当院の金属アレルギー治療
皮膚科と連携して総合的に診断
金属アレルギー評価も実施
金属アレルギー対策をしっかりと行って歯科治療を進めるためには、医科との連携も重要です。当院では可能な限り皮膚科と連携しながら、総合的に診断を進めます。パッチテストにて16項目+チタンのアレルギーの評価、および現在使用中の金属の確認など行って、患者さんの状態を詳細まで把握します。
全身の健康も考えて計画する
歯科治療
当院の治療では、対象となる歯のことはもちろん、治療を通じて予後に患者さんへ負担がかからないか、リスクとなることはないかなどの観点で計画します。歯だけでなく、患者さんの身体の全体をしっかり考えて大切にし、治療を進める方針です。トータルケアをすることで、安全性の高い治療をご提供いたします。
金属が原因で起こる接触皮膚炎
局所性金属アレルギー
アクセサリーや日用品などの金属が直接触れた部位に起こる反応です。夏季など汗をかきやすい時期や、傷がある部位ではアレルゲンが吸収されやすく、湿疹などが生じることがあります。歯科治療においても、金属が触れる粘膜が赤くなったり白くなったりする場合があり、舌に生じると味覚障害や強い痛み、灼熱感を伴うこともあります。
全身性金属アレルギー
歯科で使用された金属が溶け出して体内に吸収され、口から離れた部位に症状が現れる反応です。イオン化した金属の一部は汗とともに排出されますが、手のひらや足のうらなど汗腺が多い場所では、かぶれや湿疹などの症状が強く出やすくなります。そのため、発汗量が増える夏場には特に症状が悪化しやすい傾向があります。
歯科で用いられる金属について
使用される金属をしっかり把握して
金属アレルギーのリスクを
減らしましょう
保険診療では、金銀パラジウム合金や銀合金が主に用いられます。矯正治療、入れ歯の素材としては、コバルトクロム合金やニッケルクロム合金などの非貴金属のほか、ステンレス鋼、白金加金、チタンなども幅広く活用されています。金属アレルギーがあるかたや不安なかたは、使用される金属を把握したうえで、適切な素材を選択することが大切です。
歯科金属アレルギーが関係する
皮膚疾患
| 発生部位 | 主な疾患名 |
|---|---|
| 口腔粘膜 | 接触性口内炎、扁平苔癬 |
| 口囲(口の周り) | 肉芽腫性口唇炎、口囲皮膚炎 |
| 全身・その他 | 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、異汗性湿疹、扁平苔癬、貨幣状湿疹、全身の皮膚炎、痒疹(ようしん) |
治療の進め方
1 当院での受診・診査
過去のアレルギー反応、治療に対するご希望などお伺いいたします。経験豊富な歯科医師が対応いたします。
2 皮膚疾患の識別
患者さんの金属アレルギーの内容を把握するため、皮膚科と連携してパッチテストを実施します。アレルギー反応が出る金属を明確にします。
3 当院再受診
アレルギー反応を引き起こす原因の金属を、口腔内から除去します。セラミックなどの素材を使用して、詰め物・被せ物を作製いたします。事前検査の内容をもとに、精度の高い詰め物・被せ物をご提供いたします。
4 定期健診
治療後も定期的に歯科健診を受けていただくことを推奨しており、その際に金属アレルギーの確認も実施します。
パッチテストについて
アレルギー物質を特定するため
専用のパッチテストを実施
歯科材料に皮膚疾患の原因がある場合、原因物質を特定するためにパッチテストが実施されます。接触性皮膚炎診療ガイドライン(2020)において、アレルギー性接触皮膚炎の診断に有用な検査法と位置付けられています。
通院スケジュール
判定を正確に行うため、1週間で4回の通院が必要です。48時間後、72時間後、1週間後と段階的に皮膚の状態を観察します。
国内で保険承認されている
鳥居パッチテスト試薬金属
硫酸ニッケル5%
塩化コバルト2%
重クロム酸カリウム0.5%
塩化第二水銀0.05%
塩化金酸0.2%
塩化パラジウム1%
臭化銀2%
塩化白金酸0.5%
塩化亜鉛2%
塩化マンガン2%
三塩化インジウム1%
四塩化イリジウム1%
硫酸銅1%
塩化アルミニウム2%
塩化第二スズ1%
塩化第二鉄2%
※標準的な16種類の金属試薬に加えて、インプラントや歯科用合金などで使用される機会の多いチタンについても検査項目に組み込んでいます。
パッチテストの有用性について
パッチテストはアレルギーの原因解明において有力な検査ですが、感度と特異度は70~80%程度と報告されており、偽陽性や偽陰性が生じる可能性も考慮しなければなりません。そのため、検査結果のみで安易に歯科金属を除去するのではなく、皮膚科、歯科、耳鼻咽喉科が連携し、身体の状況をふまえて治療の優先順位を検討することが大切です。当院では、専門医同士の連携に基づいた適切な診断を重視しています。
血液検査(DLST)
血液中のリンパ球の反応を調べる検査です。主にパラジウム、金、ニッケル、コバルトの4元素に対して行われますが、血液検査のみでは金属アレルギーの診断として十分ではないため、パッチテスト等と組み合わせて判断します。
チャレンジテスト
(経口負荷試験)
パッチテストの結果が陰性であっても症状からアレルギーが疑われる場合、医師の厳重な管理のもとで実施されることがあります。金属を多く含む食品を摂取し、全身症状の誘発を確認する試験です。
歯科金属の除去と修復物の置換
短期間で質の高い補修物を
作製します
CADCAM冠やチタン冠が保険診療にて適用可能となり、比較的安価で金属を置換することができるようになりました。当院ではセレックシステムを導入していますので、ケースによっては1日でセラミック修復も可能です。使用される素材や治療情報は先端のものを取り入れており、専属の歯科技工士と共有して質の高い治療を計画します。