睡眠時の歯ぎしり検査(ウェアラブル筋電計)を導入いたしました。
睡眠時の歯ぎしり(ブラキシズム)は様々な歯科疾患のリスクファクターとされています。 お口の中の被せ物の脱離や破壊、歯周病の悪化の要因、顎関節症など対策を講じるために、睡眠時の歯ぎしりを筋電計で把握することは、 患者様の良好な予後を得るためには重要です。
今までは、歯ぎしり音、起床時の顎の痛みなどの問診や、口腔内所見(歯の摩耗など)によって「歯ぎしり有り」と判断されていましたが、客観性や正診率が不十分と言われています。
ウェアラブル筋電計は軽量で小型に設計されているので、 患者様自身による自宅での筋電図測定が非常に手軽に行うことができ、客観的に重症度の評価ができます。

睡眠時筋電計歯ぎしり検査が保険導入された理由は、歯ぎしりに対する口腔内装置(ナイトガードと呼ばれるマウスピース)による不要な治療が行われていることが少なくないことがわかってきた背景があります。今までの診断は臨床所見や問診で行われていて、実際は歯ぎしりをしていない患者までが歯ぎしり患者と過剰に診断されていたことが研究で明らかになってきました。
睡眠時のブラキシズム(歯ぎしり)の臨床診断基準(ICSD3)で歯ぎしり有りと判断された患者のうちの20~30%が筋電計検査では歯ぎしりと判断される範囲には入ってこなかったことは報告されています。
- アメリカ睡眠学会の臨床診断基準(ICSD3)
- 以下のAとBの条件を両方とも満たす患者
- A:睡眠時時の日常的あるいは頻繁は歯ぎしり音の存在
B:さらに以下の臨床症状のうち1つ以上が存在する - 1:睡眠時のグライディングに矛盾しない歯の異常な咬摩
2:睡眠時のグライディングに矛盾しない起床時の一時的な顎筋の痛みあるいは疲労感、または側頭部頭痛、または開口障害
歯の摩耗は、過去にすり減った形跡に過ぎない場合もあるので、現在進行形の歯ぎしり患者かどうか、歯ぎしりをしていればどの程度かの判断、評価を筋電計検査で行うことは重要と考えられるようになっています。
当院では、できるだけ正確な診断をするために、睡眠時筋電計検査に加えて、様々な問診や診査を行い、睡眠衛生指導なども行っています。
歯ぎしりは睡眠が浅いステージで発生し、歯ぎしりのリスクのある基礎疾患や薬、どの問診や診査内容が感度と特異度が高いかは研究で徐々にわかってきています。歯ぎしり対策としては、ぐっすり眠ること(睡眠の質)とナイトガードで歯を守ることです。ナイトガード(マウスピース)を作製する前に正しい知識と診断が大切です。
また、当院では睡眠時無呼吸症候群の歯科的治療やボツリヌス治療、メラトニンの処方にも対応しておりますので、ブログに更新予定です
監修者情報
私は、日本歯周病学会認定研修施設でインプラント治療と歯周組織再生の研究と臨床を経験し、その後神奈川歯科大学付属病院の矯正歯科に勤務し、2003年に地元の相模原市に開院いたしました。
大学付属病院では、CADIAXや筋電図を用いた顎機能検査による噛み合わせ治療や外科矯正(骨切り)まで幅広く診療してきました。これらの経験を活かし、子どもから高齢者まで幅広い診療を行っています。開業後も、年間50~60回は学会や研修会に参加し、最新の技術と機械の導入に努めてまいりました。
資格
- 日本口腔顔面痛学会 認定医
- 口腔がん検診協力医
- 日本抗加齢医学会 専門医
- 相模原市乳幼児健診担当医
- ドライマウス研究会 認定医
- 日本救命医学会BLSコース
およびICLSコース修了 - 神奈川県摂食、嚥下障害歯科医療相談医
- AHA BLS ヘルスケアプロバイダー
- 神奈川県障害者歯科医療担当医
所属学会
- 日本歯周病学会
- 日本臨床歯科CADCAM学会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本有病者歯科医療学会
- 日本矯正歯科学会
- 日本歯科薬物療法学会
- 日本歯科審美学会
- 日本抗加齢医学会
- 日本口腔顔面痛学会
- 日本睡眠歯科学会
- 日本顎関節学会
- 日本歯科医師会
- 日本頭痛学会
- 神奈川県歯科医師会
- 日本歯内療法学会
- 相模原市歯科医師会
- 日本補綴歯科学会