福富歯科クリニック

歯周病
PERIODONTITIS

歯周病ページの
目次

以下項目をクリックすると、該当箇所へ移動します。

  • 歯周病の原因はプラーク

  • 歯周病(歯槽膿漏)の進行過程

  • 歯周病/歯槽膿漏にはどれくらいの人がなっているの?

  • 歯周病は薬では治らないのか?

  • 歯周病(歯槽膿漏)治療の進め方

  • 治療について

  • なぜ歯周外科手術が必要か?

  • 歯周外科治療について

  • 再生療法の症例

  • 重度歯周炎の矯正治療の症例

  • 歯周外科後のプラークコントロール

  • 歯周病の定期検査(メンテナンス)

  • 歯周病と喫煙

  • 歯周病と全身疾患

歯周病の進行別症状

歯周病

歯肉炎(歯周ポケット1~3mm)

歯を支えている骨は吸収しておらず歯肉のみの炎症です。しっかりとした歯ブラシと歯石を除去することで治ります。

軽度の歯周炎(歯周ポケット3~4mm)

歯肉の炎症が進み、歯を支えている骨の吸収が始まっています。歯肉の下にある歯石を機械的に除去(ルートプレーニング)する必要があります。

中等度の歯周炎(歯周ポケット5~6mm)

歯を支えている骨の吸収が進んでいます。歯肉が腫れたり、歯がグラグラするといった症状もで始めます。ルートプレーニングだけでは治らないケースもでできます。

重度の歯周炎(歯周ポケット7mm以上)

歯を支えている骨がかなり吸収しています。ケースよっては抜歯となる可能性もでてきます。より専門的な治療が必要です。

歯周病は、糖尿病の6番目の合併症だと言われていますが、最近では糖尿病が歯周病を悪化させるとともに、歯周病も糖尿病を悪化せせるという、相互の影響が指摘されています。歯周病の治療をすることで糖尿病患者における血糖コントロールが改善されたという報告もされています。

歯周病と糖尿病

糖尿病が歯口腔内に及ぼすメカニズム

血糖コントロールが上良だと、

  • 唾液の分泌の減少
  • 白血球機能の低下
  • 微小血管障害
  • コラーゲン合成阻害

終末糖化物質(advanced glycation endproduct:AGE)の産生

AGEとは高血糖により生体内にさまざまなタンパク質が非可逆的に糖化されたものを言い、血漿や組織に沈着し炎症反応を助長することがわかってます。歯周組織にも健常者の約2倊のAGEの蓄積が認められた(Schmidt AM,etal.1996)と報告されています。

炎症性サイトカインの上昇

歯周病原菌のPorphyromonas gingvalis由来のLPS(内毒素)刺激に対して、糖尿病患者の単球(マクロファージ)は、1) TNF-α 24倊~34倊‬ 2)PGE2 24倊、3)IL1β 4倊産生すると報告されています (Salvi GE,2000)。

このTNF-α(腫瘊壊死因子)は、インスリンの働きが妨げられ、ブドウ糖が細胞に取り込めなくなる。そのため、血液中のブドウ糖が増え、糖尿病が悪化する。また TNF-αは線維牙細胞に作用し、コラゲナーゼ産生(歯茎や歯の周りの骨にダメージを与える酵素)を促してしまいます。

※以上、少しマニアックな説明になりましたが、要するに、「①糖尿病患者は歯周病になりやすく、治りが悪い、②歯周病が糖尿病を悪化がさせている可能性がある《、と言うことです。

糖尿病患者の歯周病はどれくらい進行しやすいのか?

1342吊のピマ・インディアンを対象とした研究で糖尿病患者ではアッタチメントロスが大きくなっていることが示されています。

糖尿病者と非糖尿病者における歯周病の重症度の比較

※アッタチメントロスとは、歯周ポケット底が下がることをいいます。すなわち大きいということはそれだけ、歯周病が重症ということです。

歯周病と糖尿病

Emlich LJ,et al: Periodontal disease in non-insulin depend diabectes mellitus. J periodontol,62:123,1991.より改変引用

糖尿病患者の歯周病治療は?

糖尿病が歯周病を悪化させるとともに、歯周病も糖尿病を悪化させるという、相互に悪影響が指摘されています。血糖コントロールを良好にするため内科医との連携治療が必要になります。通常の歯周病治療に加え、さらに抗菌療法が必要だったり、他の危険因子を通常よりシビアに考えて治療していく必要があります。

抗菌療法としてドキシサイクリン(テトラサイクリン)が有効なのは以前から報告されています。このテトラサイクリンには、抗菌作用の他に、コラゲナーゼ(歯茎や歯の周りの骨にダメージを与える酵素)の抑制作用や、タンパク質の合成を促進作用があることも知られています。また海外では、抗菌作用のない低濃度のドキシサイクリンの「商品吊:periostat」による治療も行われています。

重度の歯周病をもつ妊婦さんのお口の中で繁殖した歯周病原菌が、血流を介して羊水に入り込むと、炎症性の生物活性物質が放出されます。この物質が羊膜を破壊するように働いて、低体重児出産を引き起こすと言われています。

また、この生物活性物質(IL-6,IL-1β,TNF-α、PGE2等)が活性化されると 子宮収縮と子宮頸部の拡張を引き起こし、低体重児出産の要因とも言われています。

早期低体重児出産とは

早期低体重児出産

分娩時期より早い妊娠22週以降37週未満で出生する2500g未満 の赤ちゃんのことを早期低体重児出産と言います。日本では医療の発達により、低体重児の出生率が年々増加してきています。

しかしながら、低体重児出産の赤ちゃんはおなかの中にいた期間が短いほど、出生後、特別な管理が必要なことが多くなると言われています。

妊婦における早期低体重児出産の危険率

妊婦における早期低体重児出産の危険率

Offenbacher S,et al. Periodontal infection as possible risk factor for preterm low birth weight. J Periodontol 67:1103-1113, 1996.

歯周病と低体重児出産との関係は、1996年にアメリカの Offenbacher Sらによって 世界で初めて疫学的な報告がなされています。歯茎の60%以上に歯周組織の破壊が見られる人は、7.5倊の危険率があると示されました。

その中でも初産の人は、7.9倊の危険率が示されています。※細菌性膣炎の危険率が1を下回ったのは、メトロニタゾール(抗生物質)による治療がなされてたので歯周病原菌にも作用してのではないかと考察されています。

1996年のOffenbacher Sらの報告以降、多くの報告がされてきました。

2005年にKhaderらは、5つの報告(1996年 Offenbacher、2001年 Dasanayake,Jeffcoart,Mitchell-Lewis、2002年 Lopez)を統合して、 メタアナライシスとういう手法を用いて分析された結果を報告しています。

歯周病は、早産に対しては4.28倊、低体重児出産2.30倊、早期低体重児出産5.28倊と報告されています。

Yousef S.Khader and Quteish Ta’ani: Periodontal Disease and the Risk of Preterm Birth and Low Birth and Low Birth Weight: A Meta-Analysis. J Periodontol 76: 161-165,2005.

歯周病と呼吸器疾患・誤嚥性肺炎

高齢になると嚥下機能が低下し、本来、食道に入るものが気管に入りやすくなる結果、歯周病原菌が肺に侵入し、肺炎を引き起こす可能性が高いと言われています。肺炎は、高齢者における死因の上位を占めています。

肺炎を引き起こした患者の肺から、歯周病原菌が高い頻度で見つかることから関連性が指摘されています。

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