歯茎の下までに虫歯が進行した状態のことを歯肉縁下う蝕と呼びます。歯肉縁下う蝕は、そのままの状態で かぶせ物をしても術後にさまざまな問題を引き起こし、進行が重度の場合は抜歯になるケースも多いのです。
そのため、治療にとりかかる前には、歯肉縁下う蝕に対して適切に対処し、問題を解決しておくことが長期的安定を図るために重要であると言われています。
歯肉縁下う蝕に対する治療法としては、①歯肉弁根尖側移動術、(Apically Positioned Flap:APF)、②矯正的挺出(きょうせいてきていしゅつ)、③歯肉切除などが選択されますが、今回は進行が重度で、通常なら抜歯が適応される歯を矯正的挺出にて保存したケースをご紹介いたします。
矯正的挺出の症例
1-1.残っている歯が歯茎の中に埋まっています。
1-2.残っている歯が歯茎の中に埋まっています。
2.矯正装置を装着し、仮歯を付けたところです。
3.矯正移動が終了し、APF2週後に仮歯を外したところです。
今回は、矯正的挺出とAPFを併用したケースをご紹介させていただきました。
このように矯正的挺出と呼ばれる歯茎から引っ張り出す移動様式は部分矯正の中で最も簡単な移動様式で、当院では頻繁に行っております。前歯部では移動も早く、3~4週で終了することがほとんどです。
治療費は自費診療になります。